フィッシャリーナ・ガウディ 上天草市 世界を巡った料理人が天草へ。津原昭夫シェフが一皿に込める想い。フィッシャリーナ天草に今年2月オープンしたスペイン料理のお店 かたりばvol.41

🎤取材💻文章📸写真:太田弘樹(一部写真はご提供いただきました)

そこはまるで宮殿内の様な雰囲気。大きな窓からは天草の素敵な海景色を楽しむことができます。

フィッシャリーナ天草内に今年2月にオープンしたスペインレストラン「フィッシャリーナ・ガウディ」

ペット同伴OKのテラス席。これからの季節はまさにおすすめ。

めっちゃ仲良しな昭夫シェフ・由美さんご夫婦
〇あの凄腕シェフがフィッシャリーナ天草で始めたスペイン料理のお店「フィッシャリーナ・ガウディ」
上天草市松島町。熊本市内から2号橋を渡り右折。樋合海水浴場を過ぎたところにあるのが、フィッシャリーナ天草です。このマリーナ内に今年2月にオープンしたばかりのお店が今、巷で話題となっています。シェフの名前は、津原昭夫さん。アメリカやスペインなどで約20年間にわたり、本場の技と感性を身につけながら腕を磨いてきた凄腕料理人。これまで数々の著名人にも料理を提供してきた方なのです。そんな津原シェフが新たな舞台として選んだのが、なんとこの上天草でした。今回は、天草の豊かな食材と海外で培った経験を元に、ここでしか味わえない奇跡の一皿を生み出し続けている津原シェフをご紹介します。

〇5,000円を握りしめ、料理人の道へ。
1963年、山鹿市生まれの津原さん。小さい頃は、現在では国指定重要文化財である八千代座が遊び場だったそうです。高校を出て、デザイナーを志して津原さんはわずか5,000円を握りしめて東京へ。しかし生活は苦しく、お金を稼ぐために働き始めたのが洋食店でした。
『最初はただ生活のため。でも気がついたら料理の面白さに目覚めたという感じかな。』
人生が大きく動き始めた瞬間でした。最初に学んだのはフランス料理。経験を重ねるうちに、料理の世界の奥深さに魅了されていったと言います。そんな津原さんが次に目指したのはアメリカでした。

〇言葉も文化も越え、世界で磨いた腕。
日本で約6年間経験を積んだ津原さんはアメリカへと渡りました。妻・由美さんは言います。
『英語一言もしゃべれないままアメリカに渡ったんです。どう思います?規格外な人なんです。』
1980年代と言えば、日本人シェフが海外で脚光を浴び、各国の料理を融合させたフュージョン料理が注目を集めていた時代でした。そんな本場に身を置いて、料理の技を磨きたい一心だったそうです。
『今思えば、最初から英語を話せたら、もっと楽だったでしょうね。2年位は遠回りしたかな。』
そう笑いながら話す津原さん。現地のレストランでトータル約18年間厨房に立ち、国籍や文化を越えて人を喜ばせる料理を常に心がけながら研鑽を積む日々。やがて厨房を任される存在に。アメリカの首都ワシントンDCにあったお店には数々の著名人が足しげく訪れたと言います。なかには若き日のジョニー・デップさんやクリント・イーストウッドさんが訪れ、津原さんの物怖じしないその性格から彼らたちと交流を深めたそうです。お話の内容や出てくる登場人物が凄すぎて、頭がついて行けない私(笑)。


やがて津原さんの料理は、当時FCバルセロナ会長を務めるジョアン・ガスパール氏の目に留まります。
『「お前、スペインでお店をやってみたいか?」って聞かれたので、「機会があれば是非やってみたいですね」って軽い感じで伝えたら、即、スペイン行きが決まりました(笑)。』
料理の腕前を認められた津原さんはスペインへ渡り、ガスパール氏が所有する「HUSA HOTELS」でシェフを務めることに。ロナウジーニョ全盛期のバルサ時代というのが、ファンとしてはたまりません。伝統を大切にしながらも食材の個性をあますことなく引き出す津原さんの料理は、異なる文化の中で腕を磨き、研ぎ澄まされた長い年月によって培われたものです。またバルセロナで経験を重ねるうちに、スペイン料理の奥深さや「バル」という食文化に感銘を受けた津原さん。本格的なスペイン料理を日常の中で気軽に味わいながら、知らない人同士がテーブルを囲み、気軽に会話を楽しむ。そんな温かな場所を創ることが津原さんの願いとなり、それが実現したのが故郷・山鹿で開いたお店でした。



〇病を経て、妻とともに天草へ。
帰国して東京などでお店を構えた後、故郷の山鹿へと戻り、豊前街道沿いで「Sagrada食堂」をオープンされます。私が津原さんと初めて出会ったのはこのお店でした。アクア・パッツァのあまりの美味しさと、その経歴に度肝を抜かされたことを今でも鮮明に覚えています。そんな津原さんがなぜ天草に?
『実は3年前、ガンを患って20㎝ほど大腸を切除したんです。それまでは夜遅くまで仕事していましたが、これからは由美さんと一緒に、もっと自分の体も労わりつつ、「大好きな天草の美しい景色を眺めながら、食材と戯れるのもいいいかな」って思ったのがきっかけです。』
大病が転機となり、生き方を見つめ直した津原さん。フィッシャリーナ天草との素敵なご縁もあり、夫婦揃って天草への移住を決意されました。

〇天草の食材に、新しい価値を。
この「ガウディ」で津原さんが挑むのは、天草の食材をこれまでとは違う角度から輝かせることだそうです。新鮮な魚介を海鮮丼や刺身とは異なる料理に仕立てあげ、今までにないやわらかな食感や豊かな香り、味わいなど素材本来が持つポテンシャルを最大限に引き出した料理を提供したいとの想いがあります。この土地の恵みを知り尽くした生産者と、世界の味を知る料理人・津原シェフとのコラボ。その出会いが、この天草の食文化に新たな可能性を生み出してくれるような気がしてなりません。


さらに津原さんの視線は、お店の中だけにとどまりません。これまで築いてきた人脈を生かしながら、天草の食材を東京などへ届ける取り組みを妻・由美さんと一緒に始めておられます。料理として提供するだけでなく、生産者と都市をつなぎ、地域の魅力を広く伝えていくこと。さらに次の世代を担う若き料理人を育てることも、自らの大切な役割だと考えていらっしゃいます。それは晩年、人を育てることに重きを置いていた「アントニ・ガウディ」そのもののようにも感じます。
〇世界を知る料理人が、天草の未来をひらく
山鹿から東京、そしてアメリカ、スペインへ。再び山鹿に戻り、今度は天草へ。津原さんの歩みは、さまざまな土地と、人や文化との出会いによって形づくられてきました。世界を知ったからこそ、地域の食材が秘める価値に気づき、その魅力を新しい形で伝えられるのではないでしょうか? 5,000円を握りしめて故郷を飛び出した少年は、長い旅を経て、一人の料理人として今、天草の地に立っています。津原さんが創る一皿は、これまでの人生の集大成であると同時に、天草の未来へ向けた新たな物語の始まりにも感じます。豊かな食材と世界で磨いた技が出会う「ガウディ」。これからどのような味とつながりが生まれるのか。そんな津原シェフと由美さんの挑戦に注目です。是非も皆さん食べに行かれて下さい。おススメです(^^♪


スペインレストラン「フィッシャリーナ・ガウディ」の公式サイトはこちら👇
スペインレストラン「フィッシャリーナ・ガウディ」の場所はこちら👇
施設・飲食店名 | スペインレストラン フィッシャリーナ・ガウディ |
|---|---|
住所 | 熊本県上天草市松島町合津7500 |
電話番号 | 0969‐33‐7878 |
営業時間 | ランチ11時00分~17時00分/ディナー予約必須 |
定休日 | 火曜日・水曜日 |
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